新領域創成科学研究科授業(平成29年度夏学期)

表面物性化学(2単位)
水曜日第2限  @複雑理工学講義室

主題と目標
 固体表面の物性と,表面を舞台にした化学過程は,電子材料や各種機能性素子の作製過程と作動機構, 触媒反応の観点から重要性は極めて高い.これらを理解し,研究を進めていくためには、 金属,半導体,酸化物の表面が示す物性,化学的性質を学ぶ必要がある。特に原理からの理解を重視する。 また、単結晶表面に加えて,微粒子系についても、表面の果たす役割が大きく、また、 研究手段に広がりをもつことから、これらも対象とする。

内容
  1. 固体表面の果たす役割の概説。数学的準備(特殊関数、フーリエ変換、グリーン関数など)、 量子論、散乱理論、固体物理の整理。
  2. 固体表面の構造の記述法,解析法。固体表面・界面における電子状態,及び関連する実験的測定法。
  3. Scanning Probe Microscopyの各手法の原理と適用例
  4. 固体表面及び吸着種の局在,及び非局在化している振動状態並びに様々な振動分光法について。
  5. 表面と光,荷電粒子の相互作用や励起状態を経由する現象。
  6. 原子,分子と表面の相互作用,表面反応性,触媒反応との関連。
  7. 密度汎関数法や分子軌道法などの計算化学的手法による表面現象の解析。 最近重要性を増している第一原理分子動力学法の概説。
  8. センサー,光触媒などの表面を利用した機能性素子の作製過程と作動機構。
  9. 固体表面研究を支える真空工学、及び電子光学・イオンビーム光学の基礎を紹介する。
  10. 微粒子系の電子状態と構造、作製法。
  11. 固体核磁気共鳴、電子スピン共鳴による研究。特に多次元測定
  12. その他の電波物性研究法
  13. 最近のトピックス。

成績評価方法
出席とレポート

教科書・参考書等
丸善 表面科学シリーズ

受講に関する要件等
大学教養課程程度の数学,物理,化学


Copyright (C) 1998-2002 Sasaki Lab, All rights reserved.