固体表面上の化学反応の解明と触媒反応への応用を目的として、以下の触媒研究・表面科学研究を行っています。
- 触媒研究のテーマとしては、触媒開発と触媒反応機構解明を行っている。前者については、現在、メタンから穏和な条件で有用な有機分子を生成するための触媒開発に取り組んでいる。また、触媒反応機構解明については、岩澤研で見いだされたアルミナ担持コバルト固定化触媒のC0-NO反応機構について、担体の依存性を検討している。これらの研究においては、赤外吸収分光法やEXAFSなどを用いる。
- 固体NMR(Chemagnetics 300 MHz)を用いて、ゼオライトなどの触媒材料の解析を行っている。
- 温度制御型電子刺激脱離イオン観測装置による表面反応のリアルタイム観測。電子線を固体表面上の吸着系に照射すると化学結合が切断されてイオン種が化学結合の方向に脱離する。その角度分布を測定することで吸着種の配向を知ることができる。この方法に工夫を加えて表面反応のリアルタイム観測が可能となっている。
- 高分解能電子エネルギー損失分光法(HREELS)を用いて吸着系の振動スペクトルを測定することができる。この方法を低速電子回折等と併用して、表面化学過程の研究を行っている。現在は、モリブデン単結晶表面を酸素、リン原子で修飾することで表面化学過程の制御の可能性を探索している。
- 密度汎関数法による計算化学的検討を行い、表面化学過程の実験、理論両面からの理解を目指している。現在は、上記のコバルト触媒について取り組んでいる。
- 産総研 森川良忠主任研究官と共同で第一原理分子動力学法による酸化物表面の構造・化学過程の研究を行っている。
|